ポテンザでニキビと跡を同時に治療できる?50名の記録を論文データで解説
記事の要点: ポテンザ(マイクロニードル高周波)は、チップを交換することでニキビの炎症と陥凹ニキビ跡の両方にアプローチできる装置です。 2026年の国際学術誌に掲載された50名の治療記録では、中央値でニキビが45個から18.5個に減少し、平均48.3%の減少率が報告されています。
ポテンザにチップが2種類ある理由とは?
ポテンザは皮膚に極細の針を刺し、その先端から高周波(RF)熱を与える装置です。研究では針を1.0〜2.0mmの深さに挿入しており、この深さにより表皮を超えてコラーゲンが存在する真皮層まで熱を届けることができます。
高周波熱の働きは大きく2つに分けられます。一つは皮脂腺の活動を抑制しニキビ菌(アクネ菌)の増殖を抑えること、もう一つは真皮に生じた微細な損傷が修復される過程で新しいコラーゲンが生成されることです。
チップの違いがターゲットを変えます。側面を絶縁コーティングした「絶縁チップ」は、針先端だけに熱が集中します。表面へのダメージを抑えつつ深部に熱を届けるため、ニキビは落ち着いているものの頬に陥凹ニキビ跡が残っている方に適しています。一方、コーティングのない「非絶縁チップ」は針が通る全長に熱が広がります。浅い層まで熱が届くため、現在も赤みを帯びたニキビが出ており皮膚表面の凹凸が気になる方に向いています。
ポテンザを受けた50名のニキビはどのくらい減ったか?
参考にした研究は2026年に国際学術誌《Aesthetic Surgery Journal Open Forum》に掲載された論文(Lee S, et al. Aesthet Surg J Open Forum. 2026;8:ojag097)で、大学病院皮膚科が3年間にわたりポテンザで治療した50名の記録をもとにしています。評価には撮影した写真を使い、名前を伏せたうえで施術前後の区別を知らされていない別の皮膚科医師が独立して判定するという方法が採用されました。
施術の流れとしては、麻酔クリームを30分塗布してから開始し、1回あたり10〜15分ほどかかります。出力は半数が中程度、もう半数が高出力に設定され、受けた回数の中央値は3回、1〜2回が23名、5回以上が13名でした。結果として、50名の中央値でニキビの個数が施術前の45個から治療後には18.5個に減少し、個人ごとの減少率を平均すると48.3%となりました。
内訳を見ると、半数以上(50%超)減少した方が26名、4分の3以上(75%超)減少した方が12名でした。また注目すべき点として、施術終了後から6か月後にかけてさらに改善が進んだケースも見られています。新しいコラーゲンが組織内で安定するまでに数か月かかるためで、施術を追加せずとも時間をかけて変化が継続する可能性があります。
なお、この研究が数値化したのはニキビの個数のみです。研究開始時点でニキビ跡があった38名について、跡がどの程度薄くなったかは数値として計測されていません。ニキビ跡への効果を期待する場合は、この点を踏まえてカウンセリング時に確認することが大切です。
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ポテンザの施術を後回しにするべき場合とは?
ニキビが出ている状態でもポテンザを開始できる場合がありますが、すべての状態で同様というわけではありません。この研究でもニキビがある状態の方を対象としていましたが、膿が強くたまって大きく膨らんでいるときは施術を見送り、炎症が落ち着いてから開始する方針が取られていました。
同様に、ニキビが重度に化膿している状態(炎症が高度な膿疱・嚢腫など)では、まず炎症を鎮めることが優先されます。高周波の熱が周囲組織に余分なダメージを与えたり、跡が残りやすくなるリスクを考慮する必要があるためです。
副反応については、50名中5名に赤み・かゆみ・ひりつきなどが残りましたが、いずれも自然に落ち着き中断した方はいませんでした。改善が見られなかった方は3名でした。ただし、この研究には施術を受けない比較対照群がなく、ニキビ外用薬を併用していた方も多いにもかかわらずその記録が不完全であったため、ポテンザ単独の効果として解釈するには限界があります。また著者の一部に装置メーカーとの関係がある点も考慮が必要です。
ポテンザはニキビ跡にも同時に効果があるの?
ニキビとニキビ跡が両方ある場合、「まずニキビを治してから跡を治療する」という順序は間違いではありません。ただし待っている間にも新しい跡が増え続けることがあるため、両方を同時に対処したいというご要望は多く聞かれます。
ポテンザの絶縁チップは、真皮深部にだけ熱を集中させる構造のため、陥凹した跡(ニキビ跡)へのアプローチに用いられます。針先から放出された高周波が真皮のコラーゲンリモデリングを促し、くぼみが改善される可能性があります。ただし今回参照した研究では、ニキビ跡の改善度を数値として評価していない点に注意が必要です。
ニキビ跡の改善には個人差が大きく、跡の種類(陥凹型・色素沈着型など)や深さ、治療回数によっても結果は異なります。効果の範囲や期待できる水準については、施術前のカウンセリングで担当医師と具体的に確認することをおすすめします。
よくある質問
ポテンザはニキビが出ている状態でも受けられますか?
軽度〜中等度の炎症ニキビがある状態でも施術できる場合があります。ただし膿が大きくたまって高度に化膿しているときは、炎症を鎮めてから開始するのが一般的です。状態によって適切なタイミングが異なるため、事前のカウンセリングで確認することが大切です。
ポテンザは何回受ければ効果が出ますか?
今回参照した研究では受けた回数の中央値は3回で、1〜2回の方から5回以上の方まで個人差がありました。必要な回数はニキビの程度や跡の状態によって異なるため、一概に「何回で十分」とは言えません。カウンセリング時に現在の状態をもとに相談することをおすすめします。
絶縁チップと非絶縁チップはどう使い分けるのですか?
絶縁チップは針先だけに熱が集中するため、表面へのダメージを抑えつつ真皮深部のコラーゲンリモデリングを促します。陥凹したニキビ跡が主な悩みの方向けです。非絶縁チップは針の全長に熱が広がり、浅い層の皮脂腺にも作用するため、現在進行中のニキビや皮膚の凹凸が気になる方に用いられます。
施術後に副作用はありますか?
50名を対象にした研究では、5名に赤み・かゆみ・ひりつきなどの反応が出ましたが、いずれも自然に落ち着き中断した方はいませんでした。ただし個人差があるため、気になる症状が続く場合はすみやかに担当医師に相談してください。
施術終了後、効果はいつ頃安定しますか?
研究では施術終了後から6か月後にかけてさらに改善が確認されたケースがありました。新しいコラーゲンが組織内で安定するまでに数か月かかるためで、施術直後だけでなく時間の経過とともに変化が続く可能性があります。最終的な効果の評価は施術終了から数か月後に行うのが適切とされています。